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山下雄彦のこんな本読んだよ。

たくさん読んだ本を、お薦めしたり感想を書いていくブログです。一般教養からサイエンス、自己啓発、人体の不思議と雑食的に本を紹介していきます。

イシューからはじめよ ~知的生産のシンプルな本質~  



著者 安宅和人

 この本も、思考法に関するものです。仕事における問題の取得選択に焦点を当てています。そう、取得選択が鍵なのです。

 あなたは、本当に重大で価値ある問題に取り組んでいますか?
 ガムシャラに働くことに逃げていませんか?

 これが、一つの問いかけになっています。価値を見いだすのは問題でなく解答であるべき。価値のある解答とは? 解答に価値を見いだすのはわかりました、では、どの問題を選べば価値のある解答が得られるのか? その答えが、「イシューからはじめよ」なのです。

 自分の価値観から「大問題」だと思っても、解決してみたら「どうでも良い」問題だったなんて珍しい話ではありません。こういう問題は手を付けないのが正解。これは、誰でも思いつく事だと思います。
 次に「大問題」だと思い、解決に乗り出したが答えさえ見つけられずに失敗してしまった。これも、珍しい話ではないでしょう。では、何故失敗してしまったのか? 問題を解決するために手段やツールを知らなかったかでしょうか。なるほど、巷には「ロジックツリー」、「MECE」、「フレームワーク」等々のロジカルに問題を料理すれば解決するような話が主流です。

「悩む」と「考える」は別のこと。悩むとは、「この問題をどこから手を付けてよいのか分からない状態」と言って良いでしょう。これは、問題を解決しようとする人の能力が低いから? 努力が少ないから? 違います。

「フェルミは数学にも長けていた。必要とあれば複雑な数学を串することもできたが、まずはその必要があるかどか確かめようとした。最小の努力と数学的道具で結果へたどり着く達人だった」 ハンス・ベーテ ノーベル物理学賞受賞者

 上記のように、ちょくちょく偉人の言葉を借りる手法をとって説得力を高めています。ハンス・ベーテはこう言ってるのです。「いきなり手を付けるようなことをせずに、その問題を解決する必要性があるか見極めよ」と。
 著者は言い切っています。
「世の中には、解決策がない問題がごまんとある」と。
 解決策の見つからない問題に手を付けず、価値のある問題や仕事をいかに見つけ出すか。 それが、「イシューからはじめよ」なのです。

 イシューを始めるには、「仮説をたてる」ことが基本となります。仮説を立てることでどのレベルの解答が必要かが明確にすることができます。
そして、「仮説」は必ず「言葉」にすること。なぜなら、言葉を使わずに明晰な思考を行うことはできないからです。
特に著者は、ここは「言葉にすることを徹底しろ」と力説しています。なぜなら、日本人はこれが得意でなないからです。理由は、日本人の言語・文化の持つ思考上の特性が言葉を明確に表現しないところにあるからです。主語や述語を省いて読者をミスリードするミステリー小説では重宝する特性ではありますが、仕事上での指示のミスリードは害悪に他なりませんから。

 仮説をたてたら、その仮説の常識を疑ってみる。常識は単なる思いこみで、「現実」とはかけ離れたものである可能性が高い。特に仮説の前提条件は「当たり前だと思いこみ、誰も検証すらしてなかった」可能性は高いです。
もう一つ仮説を考える上で、「新しい構造」で説明できないか考えることも重要となります。これは、我々脳神経の特性が絡んできます。人が「理解する」というのは、脳神経の「2つ以上の異なる既知の情報がつながった状態」指しているからです。簡単に言い表すと「問題解決に、関係ないと思っていた体験や知識が実は使える」という事実を発見できる可能性が出てくるからです。

 仮説をたてたら、今度はその仮説が正しいことを証明するための材料を入手しなければなりません。材料はできるだけ1次情報をそれもざっくりと揃えることが大切な要素になります。加工された二次情報を調べることは一見効率的にみえても、色眼鏡をつけて見た情報をベースにものを考えることは命取りになる可能性が高いからです。

 さて、情報もある程度集まったら思考タイムに移ります。なぜなら、知りすぎると新しい知恵が出てこなくなるからです。ビジネスにおいて、コンサルティング会社が存在してるもの同様の理由です。

 思考タイム、いわゆる情報を分析していくわけですが、ここでもポイントがあります。いわゆる、分析とは何か? 数字化することでも分類して調べることでも、もちろんグラフにすることでもありません。ただ、比較することが分析の本質です。比較が分析の本質なのは、実は脳神経の仕組みによるものが大きいのです。
 ①脳神経は信号を受け取ってもある程度大きい信号(閾値を超えた信号)しか受け取らない。
 ②脳神経は不連続な差しか認知できない。

①網膜が光を感じ、鼓膜が音を捉え、肌にモノが触れ、その信号が脳に届いても、強い信号以外は脳は受け付けないということです。
②写真の中の絨毯の色が、徐々に色が変わっていっても気が付かない現象です。

 脳は異質な差分を強調して情報処理するように進化してきた為、脳に認知させるもっとも効果的なのが、比較を用いた分析だった。という話になります。

 イシューは、仮説をたて情報を集め分析しアウトプットとして成果を出すわけですが、間違っても「答えありき」になってはダメです。分析した結果が仮説を裏付けるものでなければ、仮説は間違っていると判断し軌道修正を行います。仮説のどの部分が間違っていたか、なんの要素が抜け落ちていたか検証を二重三重に重ねることが重要となってきます。

後半はアウトプットに関する話になりますが、ストーリーの構築など目新しいところはありません。やはり、イシューの肝は「どう問題を選び取るか」だと思います。
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Posted on 2016/09/11 Sun. 10:00 [edit]

category: ビジネス

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