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山下雄彦のこんな本読んだよ。

たくさん読んだ本を、お薦めしたり感想を書いていくブログです。一般教養からサイエンス、自己啓発、人体の不思議と雑食的に本を紹介していきます。

幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ  



著者 岸見一郎、古賀史健

前著「嫌われる勇気」から3年後の話です。
青年が図書司書を辞め、教師としてアドラーの教えを貫こうとしたが、挫折をしました。
やはり、アドラーの教えは間違いであることを認めさせるために、再び青年が哲人の元に現れたところから物語が始まります。

「嫌われる勇気」ではアドラー心理学の神髄を語り
「幸せになる勇気」では、アドラー心理学の実践する上での苦難を語っています。

「アドラー心理学ほど、誤解が容易で、理解が難しい思想はない」

この一言につきます。

青年は「褒めるな」「叱るな」を実践したら、子供達に嘗められて教室が混沌としてしまった現状を嘆きます。
哲人は「子供のことをちゃんと見ていましたか?」と尋ねます。
この場でいうちゃんととは、「一人の人間として対等に、そして尊敬をして信頼していたか?」です。

人間関係においての「信用」と「信頼」の違い。
「信用」とは条件をつけて相手を信じること。
「信頼」とは条件なしで相手を信じること。

『相手を条件なしで信じることができなければ、相手は貴方を信じませんよ。』

ここで、ある漫画が頭によぎりました。
松井優征氏の「暗殺教室」です。
「ある日突然、謎の超生物がある学園の落ちこぼれ教室の担任になった。しかも、生徒達はこの担任を暗殺しないといけない」という突拍子もない設定ではありますが、ストーリーはよくできています。
青年は、子供達を愚劣な愚かな存在として扱っていますが、暗殺教室の担任は生徒とひとくくりにせず、子供達一人一人対等に接していきます。
この担任は子供達から信頼を勝ち得ますが、子供達は「大好きなこの担任を、自分たちは殺さないといけないのか?」と・・・・ 苦悶しながら、自分たちで解答を見つけていく。
作品自体は子供向けなのですが、根底に流れている問題は果てしなく深いので一読されることをお奨めします。

さて、アドラー心理学は全ての悩みは対人関係が原因であると考えています。
対人関係の問題を解決するには、如何にして「人から愛されるか」、「愛されるための技術」を磨けばいいのか?
否、必要なのは愛することが大切だとアドラーは説いています。
しかも、自分にとって都合の相手ではなく、ただ全ての対象を愛することが大切だと。

アドラーは「恋に落ちる」現象をだいたんに否定しました。前巻の「嫌われる勇気」では「トラウマ」を否定してましたが、今度は「恋に落ちる」ことの否定です。

大好きで大好きでしょうがない相手といざ恋人になったら、ぞんざいになるという話は珍しくない。
これは、「相手を征服して、自分の思いのままにしたい」衝動を恋だと勘違いしていると言い切ってます。

「怒り」のみならず「愛」も、自分の意思で出し入れできるものだと言えば、反感をかいアドラーの元を離れる人がでるのも納得です。

ちなみに、アドラーの元へ訪れる人の大半が、恋愛相談だったとか。

「先生、どうすればあの人から愛されるようになれますか?」
「愛されようとは思わず、貴方が愛しなさい」
アチャー、「まさに、話がかみ合わない」状態です。

ユングやフロイトとの心理学とここまで違うのは、人は真の意味で相手をコントロールすることが出来ないからです。コントロール出来るのは、自分のみ。
今、自分が出来ることは何なのか? これが出発点なのです。
アドラー心理学は机上の学問でなく、今利用可能のものを使って実践していくものなのです。
信頼されたかったら、自分から信頼する。愛されたかったら、自分から愛する。しかし、前著の「嫌われる勇気」のテーマであったように迎合する気持ちがあったら駄目です。
相手に気に入られれば、相手は「私」を信頼してくれるだろう、愛してくれるだろうと期待をしているのですから。
「信頼」や「愛」は見返りを求めない、無償の行為でなければならない。

アドラー心理学と宗教の違いは、決して弟子をとらず、自らキリストやブッタ如く、目の前にいる人に無償の愛を与えることであろうか。
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Posted on 2016/05/07 Sat. 10:08 [edit]

category: 自己啓発

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