山下雄彦のこんな本読んだよ。

たくさん読んだ本を、お薦めしたり感想を書いていくブログです。一般教養からサイエンス、自己啓発、人体の不思議と雑食的に本を紹介していきます。

中国4.0 暴発する中華帝国  



著者 エドワード・ルトワック
訳者 奥山真司



"キーワードは逆説的論理。国家間の戦略は逆説的論理で考えないと足下をすくわれる"



エドワード・ルトワックは日本に対して、防衛に関してアメリカを頼りにしてもよいが頼り切ってはダメだと提言している。
尖閣諸島のように離島に対しての防衛は想定していないし、また、アメリカは能力も持っていないと。
尖閣諸島が中華人民共和国のものになっていないのは、彼の国が戦略的に行き当たりばったりで口出しはするけど行動に出ていないからだと。
ルトワックはロシアが尖閣諸島を侵略するならば、プチーチンは習近平が「釣魚島」と中国名を使うようなことはせず、「尖閣」という言葉を使い、二度目は「尖閣を取り戻す」、3度目には「尖閣」はロシア領になっているだろうと分析している。つまり、ロシアは言葉を重視しない。


「ロシアは戦略を除いてすべてダメで、中国は戦略以外はすべてうまい」 ルトワックはこう格言を残しています(笑)


中国は戦略がダメとルトワックは言っていますが、それでも最初は「平和的な台頭」で世界中の国からは警戒されるどころか、好意的にみられていた時代もありました。
ルトワックはそれを中国1.0と呼んでいます。
なぜ、中国は上手くいっていた戦略を放棄したのでしょうか?


2009年のリーマン・ショックにおける、アメリカ経済のつまずき。
これで、中国はアメリカを上回ることができると勘違いしてしまった。特に当事はゴールドマン・サックスが自分の商品を売るために、「BRICs」と持て囃していたのを真に受けてしまったと言いたい放題。

中華人民共和国は、ここでアメリカを凌ぐ力を手に入れられると勘違いを犯して、戦略を変えます。それが、中国2.0。
金の力で、他の国を支配できると「対外強硬路線」に突っ走ります。

南シナ海での傍若無人ぶりも、この頃に行い。日本に対しては尖閣諸島をターゲットとします。

ここで、中国の誤算は問題は二国間だけで解決できると思い込んでいたこと。

南シナ海での例では、中国とベトナムとのいざこぜは中国が力を付けすぎたことにより、ベトナムに手を貸す国が現れたことです。
これは、ベトナムが小国であるが故に援助しても脅威になることはないという論理が働くためです。
ルトワックはキーワードである「逆説的論理」が働くと説明をし、「大国は決して小国に勝てない」という持論を展開してます。


「大国は小国に勝てない」過去の事例で、日露戦争をあげています。
日露戦争では日本は小国であったため、イギリスから援助を受けて戦艦を購入することもできたし、イギリスが手を回して日本海へ来るバルチック艦隊の補給させないよう力を貸してくれた背景があったことを忘れてはいけません。


対外強硬路線で、世界の国が反発するようになったことから、今度は「選択的攻撃」である中国3.0へ以降していきます。
反発する国への攻撃は止めて、反撃をしない国を攻撃を行いますが、ルトワックが言うには中国は最悪の戦略をとったと説明しています。
なぜなら、反米親中であったフィリピンが距離を置くどころか、いったん追い出したアメリカをまた招き入れたのですから。


中国のこの失敗の原因は、「都合の良い相手の創造」「経済力と国力の勘違い」「大国と小国との争いは1対1とはならない」と解説しています。


最後にルトワックは日本に対してこう提言しています。中国の戦略は行き当たりばったりで予測がつかないことから、積極的に計画をたてるのではなく、あらゆる受動的対応で、あらゆる想定に対処できるようにするべきだと。
先の安保法案では、共産党を初めとした一部のデモでは、「戦争法案」と攻撃してましたが、中華人民共和国に対して「安保法案」で他国と対処するのは自然の成りゆきではないでしょうか。

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Posted on 2016/04/02 Sat. 20:54 [edit]

category: 一般・教養

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