山下雄彦のこんな本読んだよ。

たくさん読んだ本を、お薦めしたり感想を書いていくブログです。一般教養からサイエンス、自己啓発、人体の不思議と雑食的に本を紹介していきます。

昭和天皇100の言葉 日本人に贈る明日のための心得  



秘蔵写真と読む心にしみる至言集
別冊宝島編集部 編

本の構成としては、右ページに陛下のお言葉。左ページにはお写真とその言葉を発した時の状況が書かれています。
天皇陛下崩御のお人柄が、よく現れている言葉が厳選されています。
人類貢献、平和についてはこんな言葉を残しておられます。
自分にとって、ちょっと襟を正して実践をしなければと思った言葉を紹介します。


○指導者の意味
「指導的地位はこちらから押し付けてもできるものではない。他の国々が日本を指導者と仰ぐようになって初めてできるのである。」
これは、日本陸軍が「大東亜共栄圏」の建設で日本が指導的地位を唱えていた時のお言葉。
自分も会社の役職がら、指導的な立場に立つことがありますが、相手が聴いたふりで済ますのか本当に聴いてくれるのかは、まさにこの言葉通りだと思います。

○時機の重大さ
「腹をさぐるといっても、時機を失してはよろしくない。」
第二次世界大戦中、日本は連合国のうちソ連とは中立条約を結んでいた。このため、鈴木貫太郎内閣はソ連を仲介しての和平工作をすすめていたが、一方で軍の徹底抗戦派が徹底抗戦を主張していたずらに時間を消費していたため、当のソ連が対日参戦の方針を決めてしまっていた時の話。
話し合いを行うにあたって、自分の都合のみを考えていてはダメで。特に時間が経てば自分が不利になるような時ほど時機を見極めることが重要です。
○抑える力
「戦争に反対する者の意見は抽象的であるが、内閣の方は数字を挙げて戦争を主張するのだから、遺憾ながら戦争論を抑える力がなかった。」
開戦派の軍と外交関係者が資源の問題や勝算などについて具体的な数字を挙げて主張するのに対して、反対派の内閣が抽象的な意見しか言えず、明確的に反対できなかった事柄についての言葉。
噛み砕いて言えば、ラブandピースでは戦争は防げないと仰ってますね。戦争当事者に対して戦争をしたら、これだけの損失を失います。戦争をしても割に合わないでしょうという形で議論をしないとダメなのでしょう。ただ、宗教的な色合いが強いシリアの内戦や、感情的な彼の国に対しては、損得勘定で判断すると痛い目に見るという質が悪い問題ですから、悩ましいところです。

○国家生存の根幹
「皇室と人民と国土が残っておれば国家生存の根幹は残る。これ以上望みなき戦争を継続することは元も子もなくなるおそれが多い。」
終戦前夜の御前会議で政府と軍の指導者に対して説得したときのお言葉。
戦争を回避するために、島をあげればいいとか言ってしまう人がいますが、国土の明け渡すことは日本の滅亡することに繋がることに気づいて欲しいです。

○予算の負担者を思う
「予算は通過せりとはいえども、皆国民の負担なり。針一本といえども、無駄にすべからず。」
満州事変後、陸軍が駐屯する部隊の増強をするための軍事予算がふくれあがった背景のもとに、陸軍大臣に釘を刺した言葉。
まったくもって、今の政治家と官僚が身を染みて実践するべき言葉です。そろそろ「予算を使い切る」という愚かな行為は止めにしてもらいたい。

○付和雷同を戒める
「先ず、我が国の国民性について思うことは 付和雷同が多いことで、これは大いに改善の要があると考える。」
戦前・戦中は自分の考えを捨てて軍部に付和雷同し、戦後は共産党の主張に付和雷同する人間をとりあげて、日本人の気質は戦前戦後でもまったく変わっていないことを指摘した言葉。
先に可決した安保法について、日本では賛成や反対の意見を自由にいえますが。反対の理由が「戦争法案だから反対」は、反自民党勢力の付和雷同に他ならないことに気づいてもらいたい。

○時計は国産品
「わたしのこの時計は、十二円五十銭の国産品だけれども、よくあうよ。」
時計工場の視察時に、国産の時計は外国製品に比べて不正確ではないのかという意見に対してのお言葉。
まだ当時は日本製といえば安物という評価されていた時代の話です。

○皇太子への親心
「皇太子には手ごろだよ。あまり立派なものや高価のものを与えては、将来のためにならない」
今上天皇が学習院初等科を卒業された時のお言葉。カメラとはいっても、昭和21年の頃の話ですからレンジファンダーであるライカの牙城を崩すべく、ニコンが四苦八苦してた頃ですね。まあ、今でもライカの新品買うならカメラ屋じゃなくて、銀座の三越に行った方が良いくらいです。(笑)

○表彰されるべき者
「文化勲章というのは、家が貧しくて、研究費も足りない。にもかかわらず、生涯を文化や科学技術発展のために尽くした。そういう者を表彰するのが本来のやり方とは違うのか。」
1971年、砂防工学の権威として土木治水に貢献した赤木正雄氏が文化勲章を受章した時のお言葉。赤木氏は旧内務省官僚で貴族議員も務めていたので、工事の予算に不自由しなかった経緯があります。
赤木氏の功績は認めるが、もっと相応しい者がいるのではないのか?という思惑が発した言葉です。
この辺は、ノーベル賞に通じるものがあります。一般人には理解できないされとて重要な研究というものは、研究にのめり込めばのめり込むほど、周りから変わり者扱いにされることは想像に難くありません。「成果が認められる」というのは、生きる上の原動力になります。

○研究者の使命
「学者はなんのためというような目前の利害だけを問題にして研究しているものではない。世界のあらゆるものの在り方を究め、一つのレコードを作ることに興味と使命を感じているのである。」
昭和天皇陛下ご自身が、粘菌やプランクトンを研究している立場から発せられた言葉。
学者がテレビに出るなとは言いませんが、タレント化してる学者には反省してもらいたい。

○魚は水中に
「鮮魚を祝いとして贈るというが、これらは水中にありてこそめでたけれ。」
貞明皇后が50歳を迎えられてそのお祝いに多くの鮮魚が贈られたことに対して、時の本庄侍従武官長に苦言を漏らした時の言葉。
質素好きな天皇陛下らしいエピソードでもあり、無理をさせたのではないかというお考えもあったのでしょう。

○猛獣と人間
「雑草というのは人間のエゴからつけている呼び名である。かわいそうだよね。
 猛獣という言葉もあるけど、ライオンやトラから見たら、一番の猛獣はあるいは人間かもしれないね。」

1976年の田村元運送大臣に対しての言葉。田村運送大臣はこれを受けて「生き物を殺すハンティングや釣りは好まない」述べたら、ハンティングや釣りを愛好する人間もいることを慮って「あえてコメントしないでおこう」と反されたそうです。
ちょっと、田村運送大臣に同情してしまいました。
「雑草という草はない」のエピソードが有名ですが、こちらの話は知りませんでした。ただし、金儲けの為に像やサイや珊瑚礁を絶滅させてしまう輩は、猛獣ですら生ぬるいとは思います。


敢えて、当たり障りのない言葉を選びましたが本書には戦争時代のお言葉も載せてあります。
しかし、言葉100選をあらためて読み直すと、なんでここまで人に配慮することができるのか?
しかも、配慮する相手は目の前にいる人だけじゃないというところが、懐と思慮がうかがい知れないほど深いのでしょうね。

皇族という国民と隔たりがある立場でありながら、国民と接触することが多い政治家や軍人よりも国民のことを知り、国民が何を求めているのか知っているからこそ、慕われているのでしょう。その生き方は今上天皇陛下にも継承されていますし、皇太子殿下にも見受けられるのは、日本国民として幸せなことだと感じずにはいられません。

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Posted on 2015/10/11 Sun. 11:56 [edit]

category: 一般・教養

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