山下雄彦のこんな本読んだよ。

たくさん読んだ本を、お薦めしたり感想を書いていくブログです。一般教養からサイエンス、自己啓発、人体の不思議と雑食的に本を紹介していきます。

本の「使い方」 1万冊を血肉した方法  




著者 出口治明

『人の話を聞くということは、結論を知ることではない。考え方のプロセスを知ることだ。』

この本を手に取った切っ掛けは、「本は1行たりとも読み飛ばしてはいけない」の表紙の文字につられてです。
速読術がトレンドというか時代の流れに逆らった考え方に、興味を持ったから。
結論から言うと、本は好きなように読めでした。
世の中の速読術は、如何に本の中から自分の必要な情報を拾いあげるかを目的としてるのに対して、著者のそれは、書き手の思考をなぞることを目的にしたものです。

思考を鍛えるためには、テキストの文字を一字一句丁寧に読むこと。スキーをお金を払ってコーチを付けるのと、スキーが上手な友達に学ぶのでは上達のスピードが異なるのと、友達の悪癖まで身についてしまう例を出し、思考も全く同じだと。
そして、思考を鍛えるのに最適なのが古典を読むことです。
著者が経済学部の学生にアダム・スミスの国富論を読むことを薦めたら、読んだことないけれども内容知ってるんで大丈夫ですと言われたそうですが、それは違うだろうと著者は怒ってます。
著者がアダム・スミスを薦めるのは、本の概要を知ってもらうのではなく、どのように考えて経済原理を見つけたのか、思考過程を追体験してもらいたいとのこと。
思考過程を追体験ができる。こう考えてみると、今は間違いや時代錯誤のものであっても、読んでみる価値はあるのかなと思えてくるので、不思議です。

それから著者が古典を薦める理由は、人間は何も進化してない考えているからです。
もし、そんなことはない。人間はちゃんと進化していると思っているとしたら、それは人間の本質(脳活動)と技術の進化を混同してるからとバッサリ切り捨ててます。
ここは著者に、完全に同意です。技術の進化に人間は追いついていけないために新しい病気を生み出していると考えているからです。

自分の教養の無さがばれてしまいますが、イギリスの宰相だったチャーチルの名言である。

「選挙とは、必ずしも信用のおけない候補者たちの中から、相対的に良さそうな人を選ぶ『忍耐』である。」

この言葉は、知りませんでした。まさに、今の時期にぴったりではないですか。少なくとも、政治は誰がやっても同じではないことが、先の政府で証明されたのですから。
このチャーチルの言説も、古典を読んでれば知っており、ろくな候補者がいないからと、選挙に行かないのは一番愚かな結論である。選挙とは、消去法で一番最悪な人物を選ばないものだと、価値観変えれば自ずと選挙に足が向かうはず。向かってくれると嬉しいな。

『人の話を聞くということは、結論を知ることではない。考え方のプロセスを知ることだ。』

思考を鍛えるのに古典を読むのが効果的ならば、人間を知るのも古典が効果的である。なぜならば、人間は進化していないから。
人間のサンプルを知るには、「韓非子」を著者は薦めています。
「世の中には、腹黒い人も、寛大な人も、冷たい人も、温かい人もいる。それはどの時代でも変わらない」ということで、『韓非子』を読んで免疫をつけておきましょう。だそうです。

人間が人間であるためには、思考をすることである。本を読む目的は、情報を入手することと思考力を付けるためである。本書ではいわゆる速読を否定してますが、価値観の押しつけはしていませんので、目的によって読み方を使い分けしていきます。


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Posted on 2015/07/28 Tue. 22:42 [edit]

category: 実務・実用

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土井英司の超ビジネス書講義  



著者 土井英司

<こんな本>
前半は、ビジネス書って一体何か?
ビジネス書の役割とは?
土井英司氏のビジネス書の思いの丈を書き綴っています。

後半、いやこの本におけるメインディッシュは、数々のビジネス書の書評です。

<こんな人にお勧め>
ビジネス書は数あるし、どれも為になりそうで結局どれを選べば分からない人。
一通りビジネス書は目を通したが、もっと違う観点の本を読みたい人。

<感想>

”ビジネス書、それは時代を写す、鏡゛

冒頭で、ビジネス書は陳腐化するもの。なぜなら、時代を映すものだから。と、うたっています。

どんな時代でも生き残れる人とは、時代の先読みが出来る人であることは間違いないことでしょう。
そして、時代を読むのにビジネス書が最適であると言い切っています。では、なぜ言い切ることができるのか?

「ビジネスパーソンという名の゛実務家゛として、時代の変化にどう適応するか?」
「自分自身、あるいは携わっているビジネスを成長させるには何をすべきか?」

その答えを書いたものがビジネス書である。
すごいぞ、ビジネス書。
エッセンスを凝縮して読者の負担を軽減したものが、ビジネス書の為効果がある反面、時代が変わったりツボが外れると効果が全くなくなるのもビジネス書。これが、陳腐化であり、土井氏の言う役割が終わったということ。

この辺は、松下幸之助氏と佐藤可士和氏を対比させており、売れてるから飛びつけば良いわけではないと説明しています。

高度経済成長期真っ只中で物を作れば、発展できた時代と情報産業真っ只中では、ビジネスの価値観と求められてるものが変わってくるという話になります。
この変化によって、組織のあり方がピラミッド型から専門家が集まるフラットな組織が増えてきてると、面白い事を言ってます。

また、バブル崩壊前後でビジネス書のあり方が変わり、バブル期は日本最高!のビジネス書が、バブル崩壊後は翻訳本が増えたのもこの時期だそうです。

そして、21世紀になると黒船来航します。拝金主義といいますか、正直にお金大好きという、ビジネス書の出現です。
また、ITベンチャーという海賊がやってきました。
ITベンチャー企業を海賊と呼ぶとは、物騒だなおもいましたが、「海賊の経済学」なる本があるんですね。

「海賊の経済学」より
海賊は、私掠船と違って掠奪した分け前を船主に渡す必要がない。

この考えをとりあげると。

既存のルールに縛られず、株主に頼らず、社員だけで分け前分担してる。

まあビックリ、グーグルを始めとしたIT企業がやってることである。

そして、かの、スティーブ・ジョブズも「海軍に入るくらいなら、海賊になれ」と、言っちゃった、とか。

数多く、ビジネス書読むと、ここまで自由な発想が出来るのか?

ワクワクしちゃいました。

このあと、リーマンショック後のビジネス書の話が出てきますが。ビジネス書を一つの報告書として位置付けると時代が読める力は、確かに養えます。

ビジネス書を読むことを躊躇してた人は、新しい視点を手に入れることは間違い無しです。


Posted on 2015/07/18 Sat. 21:33 [edit]

category: ビジネス

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面白いほどよくわかる! 心理学の本  



著者:渋谷昌三

<こんな人にお勧め>
心理学に興味があるけど、言葉がよくわからない。
心理学の世界ではユング、フロイトの名前をよく聞くけどどう違うの? と、疑問に思ってる人
心理学の勉強をしてるけど、参考書が欲しい人


<こんな本です>
浅く広く、そして心理学が生まれた背景から現代世界への係わりまでまとめられた本です。
企業でも普通にメンタルヘルスが当たり前に扱われる世の中になりました。
この本は、必読かもしれないです。

1.心理学って何?
2.人づき合いの心理学
3.心理学者で読む心理学
4.人間の成長で見る心理学
5.組織の中の人間行動
6.元気をなくしたときの心理学
7.心を生み出す脳のシステム
8.性格と深層心理の分析

<感想>
人は何故生まれ、そして何処へ行くのか?
哲学は人間観察から生まれましたが、それは思想に集約されてきました。思想ではなく、心への働き、心そのものを突き進んだのが心理学です。
心理学は、一言でいうと人間の心を科学の目を使って研究する学問といえます。
心そのものはたとえ見えなくても、仕草や行動、言動、表情、視線から探ることができ、対人関係からも伺い知ることができる。本当に怖い話です。
だって、自分が知らない自分を、仕草から他人が伺い知る可能性があるのですから。

心理学と学習のつながりもかなり深いものがあります。例えば覚えたことがどの位まで覚えていられるか?をグラフにしたエビングハウス忘却曲線のエビングハウスさん。ドイツの心理学者さんだったんですね。
予習と復習、時間を割くなら復習に、そして習ったその日に復習するのが習慣化しやすく効果が高い。なぜ、自分が学生の時にこの知識を知らなかったのか。残念無念は正直な気持ちではありますが、人間生きている限り、学ばない日々はありませんから、活用していきましょう。

ユングの言葉で、人生の正午を迎えるのが40歳だとか。今は平均寿命が伸びたから、45~50歳程度で
考えられてるとか。あらま、私の人生は丁度お昼どきですか。
最近読書量が増えたのは、お昼どきにご飯を食べるように、知識という名の栄養摂るためだったというのは、こじつけ過ぎですかね(笑)。

犯罪心理学と聞くとプロファイリングを思い浮かべる人が多いと思います。実は、私もそんな一人です。
さて、このプロファイリングですが生まれはFBIなんだそうです。ただ、現在の主流はFBI方式ではなく、リバプール方式という、統計を使ったものなのだそうです。

話を戻して、犯罪心理学の基本的な考え方は「犯罪者とそうでない人の間には明確な違いはない」なのだそうです。
本当に、人はなぜ罪を犯すのだろうか?


社会心理学のテーマは、マインドコントロールや洗脳の解明です。「人間の欲求を操り、情報をコントロールする」この観点から、流行も洗脳やマインドコントロールの一部なのです。
貴方が大好きなものや、習慣を明確に説明出来ない場合や、他人が納得できない理由ならば洗脳された結果かもしれません、恐ろしい。

心理学者で読む心理学の章では、心理学の系譜がよく分かります。進化論のダーウィンの名前が出てきてちょっとビックリです。

人間の成長で見る心理学の章では、赤ちゃんに焦点があてられてます。子育てにちょっと役立ちそうな情報が散りはめられています。
また、年齢が段々とあがって、更年期障害や、嫁姑の喧嘩の話まで、心理学って守備範囲広すぎです。

組織の中の人間行動の章では、人を説得するにはテクニックが必要と交渉の話も載ってます。
最近ではブーメランと聞くと、因果応報的な意味合いに近い感じで使ってますが、心理学では人の心変わりや反発を表すのですね。
最初が好感触でも、最終的に賛同されないことが多いと感じたならば、相手に問題があるのではなく自分のアプローチが間違ってるかチェックする必要があるかと思います。
話の結論を最初に持ってくるアンチ・クライマックスと最後に持ってくるクライマックスは、文章を書くときと同じで、アンチ・クライマックスを基本にした方が無難ですね。
例外は、相手が最初から肯定である時と、物語を語る時ぐらいです。

元気を無くしたときの心理学の章では、心の病気とストレスの話です。
ストレスをためすぎると病気になってしまうのは、そのとおり。そして、うつ病は神経伝達物質の調整がうまくできないことから起こる症状のため、自然治癒は見込めません。逆に考えれば、自然治癒能力の限界を超えると病気になってしまう。
そういった意味では、うつ病は、誰でもなり得る病気だということです。
怖いですね。ストレス発散は、本当に大事です。



Posted on 2015/07/10 Fri. 17:53 [edit]

category: 一般・教養

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なぜ、この人と話をすると 楽になるのか  




著者 吉田尚記

<こんな本>
ラジオ局である、ニッポン放送アナウンサーが自身の体験を踏まえて「コミュニケーションとはなんぞや」をラジオ番組で話したことをまとめた本。
コミュニケーションの本ではあるが、「自分の考えや意志を正確に相手に伝える」方ではなく「相手との距離感が近くなる」に焦点をあてています。

<こんな人にお勧め>
・伝達事項がある会話は難なくこなせるが、いわゆる雑談が苦手なひと。
・自分語りが長すぎると、相手に良い印象を与えないことは理解しているが、止められないひと。
・会話がない間が耐えられないひと。

<感想>
コミュ障という言葉が市民権を得て随分たちます。コミュ障とは、コミュニケーション障がいを略したものですが、一向に数が減る傾向にありません。
コミュニケーションが不得手な人を障がい者扱いすること事態が間違っていると、目の付けどこが違います。
もともと、出来て当たり前のことが怪我や病気で出来なくなった状態を障がいと呼びます。
コミュニケーションが出来ない状態を障がいと呼ぶ、裏を返すと「コミュニケーションが出来て当たり前」だという考えが浸透している証拠でありますが、この考え方がコミュ障と呼ばれる人が少なくならない原因だと考察しており、私もなるほどなと納得しました。

例えば世の中には泳げない人がいます。世間ではこれらの人をカナヅチとは呼んでも、水泳障がい者とは呼びません。 なぜなら、ほとんどの人は習わないと泳げないからです。
教育や練習が必要なものは、たとえできなくても障がい者とは呼ばれないのです。

元来、コミュニケーションは「教育」されて始めてできるものなのに、そう思われていないことが不幸となっているのです。

さて、著者の吉田氏はラジオ局に入社したとはいえ、アナウンサー希望ではなかったそうです。そして、話をするのは得意どころか不得手で、コミュ障だったと暴露しているくらいで失敗談も書かれています。
<こんな本>でも書きましたが、本書は如何に相手と仲良くなれるか! を目指しています。

○相手に興味を持つ
○自分は二の次
○誇張は良いけど、ウソはダメ
○ウソを吐くくらいなら、黙秘権を使え

相手に興味を持つ、自分は二の次にするは特に目新しくはありませんが、誇張は良いけどウソはダメの考え方は面白かったです。
倫理的には誇張はダメなのでしょうけど、あくまで会話における技術における誇張はドンドンやれというスタイルです。

映画の宣伝によくある、「全米が泣いた」も、友人のアメリカ人が全員泣いていたなら大げさなだけでウソにはならないわけです。

「兄ちゃん、アメリカ人の友人なんかいたんかい?」
「そりゃ、架空のアメリカの友人くらい、みんないるでしょ?」
「架空かよ」
「架空が気に入らないなら、一方的に知ってるアメリカの友人でもいいのよ」
「それ、友人じゃない」

うむ、話は盛り上がるかもしれない。

誇張は良いのに、なぜウソはダメなのか?

経験や知識がある人の前では、一発でばれるからです。
そして、吉田氏のウソがダメの基準はけっこう厳しい。
番組編成のため、アシスタントが変更になった状況での話し。
既にアシスタントが誰になったかは知られてはいるが、外部には知らせてはいけない場面。
「吉田さん、もう新しいアシスタントが誰か決まったんですか?」
「ごめん、まだ知らないんだ」
これは、アウトだそうです。
私の中ではかなり厳しいラインだと感じましたが、ウソは吐かない為に世の中には「黙秘権」がある。この話で納得しました。
本では、もう少し深い話をしていますので、気になる人はお手にとってください。
電子書籍でしか、本を読まないという方は本を購入してください。

最後に。
会話はスポーツと同じです。練習しなければ失敗するのが当たり前。
プロ野球選手やJリーガー、オリンピック選手を見て、素人が同じプレイができないことを嘆かないのと同じように、会話が上手な人と同じように喋れないと嘆く必要はないのです。
スポーツと同じで、正しく練習すれば会話は上達するのです。
会話の上達は出来て当たり前という呪縛から、目が覚めた瞬間から始まるのです。
                                         

Posted on 2015/07/02 Thu. 21:58 [edit]

category: 実務・実用

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