山下雄彦のこんな本読んだよ。

たくさん読んだ本を、お薦めしたり感想を書いていくブログです。一般教養からサイエンス、自己啓発、人体の不思議と雑食的に本を紹介していきます。

虐殺器官  



著者 伊藤計劃

言葉はツールじゃない、進化の過程で手に入れた器官だ

著者である伊藤計劃氏のことは、全くもって知りませんでした。そして、既に他界されていることを知って本当に残念でなりません。
テロを防ぐために、生体認証であらゆる生活活動が管理された世界、そしてテロで当たり前に核爆弾が使われた世界。我々の今の世界が、このまま突き進めば、この世界は本当の世界になるのではないか? そんな恐怖をうまく演出してくれています。これは、2015年のパリのテロがあった後に本を読んだからより一層そう感じたのは否めません。作者が作品を手がけた時代背景も大切ですが、読者が本を読む時代背景によっても作品の評価が変わる。文章にしてしまえば、当たり前のことですが、それが手に取るように実感してしまいました。

主人公はアメリカの情報将校で主な仕事は暗殺。ストーリーはある小国の広報担当を受け持っている民間人の暗殺を行うところから始まります。ここではこの世界の技術水準の高さを説明しているのですが、形だけのセキュリティの弊害を笑い飛ばしているようにも感じられました。
結果的にターゲットはこの国から脱出しており、主人公の作戦は失敗してしまいます。そして、このターゲットを追いかけることから本当の物語が始まります。

ターゲットが暗殺される理由。それは、ターゲットが侵入した国は、必ず自国民を虐殺し始める。
それゆえに、世界の警察たるアメリカは、ターゲットを暗殺する。
実際はそんな簡単な話ではありませんが、本を読む楽しみを奪うことになりますのであらすじの紹介はここで終わります。

私がこの作品で気になった部分、「言葉はツールでなく、器官そのものである」。これは、学術的根拠は一切ありませんが、この考え方に衝撃をうけました。
言葉が器官だなんて、ネタバレもいいとこ? と、ならないようには配慮していますから、安心して読み進めてください。

遺伝子によって、ある細胞が脳や腸や心臓が生成するように、言葉も遺伝子によって作られる。
また、人間の思考は言葉によって遮られない。認識をする上で言葉を利用しているだけであり、思考そのものは言葉などの制約に邪魔されない。

作中では上のようなやり取りがされて、そんな馬鹿な−! と、思いながらも、アインシュタイン等の天才達は「イメージで思考をしていた」数式や言葉は思考した結果をまとめるのに使っただけに過ぎない。と言われ、思わず納得。

結局は「卵が先か、鶏が先か」として扱われ結論は出してませんが、現実の世界でも脳の機能は謎だらけ。いまだに「幽体離脱が現実として確認されてるから科学として扱うべき」「脳を介さない精神活動なんてナンセンス、それは非科学」が争っている中、真面目に言葉は遺伝子から生まれたと話をしても良いのかもしれません。(ブレーンストーミング的な感覚で)

最後に、ターゲットが侵入した国を虐殺させる理由が明かされます。
それは、反戦作品の永遠のテーマに直結していると思えてなりません。
ターゲットが行った行為はとうてい許されるべきものではないのですが、心情的には同情してしまいます。

余談
昨今、人口知能やロボットに関する書籍が増えてます。これらの本は、昔と違って人間のサポートではなく、人間に置き換えることができるがメインとなってきてますね。「虐殺器官」では人工知能の研究が進めば進むほど、置き換えは不可能であるため「人間は高価」なものと位置づけされています。
将来どうのように未来が進んでいくのか、見物です。

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Posted on 2016/01/04 Mon. 11:08 [edit]

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02/01のツイートまとめ  

X11_Yamashita

RT @chi_bakun_chiba: 昔の人はテレビばっかり見てると尻尾が生えてくるって言われてビクビクしながらテレビを見ていたらしいよ。
02-01 22:14

Posted on 2015/02/02 Mon. 03:46 [edit]

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